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SLOWLY O’CLOCK

slowly o'clock

省エネルギーな家②

広さよりも温度むらがないことが大事


夏や冬に居られない部屋があるのが問題
1960年代後半から高度経済成長期以降、日本の住宅は「広さ=豊かさ」ととらえ、床面積が増大していきました。
国土交通省の住宅・土地統計調査によれば、1970年から約30年間で1.2~1.3倍程度(地域差あり)増加したといわれています。
しかし断熱性が低い状態では、冬は寒く、夏は暑くて使えない部屋や居られない場所があり、面積を拡大してもそれらを十分に使いきれていませんでした。
そのため住宅を購入する理由はいつも「住んでいる家が狭い」が上位になり、床面積は増えていく一方だったのです。
家全体を温度ムラなく、隅々までフル活用できるようにすることは、住まいのイニシャルコストとランニングコストの両方においてムダな費用負担を減らし、「真の豊かさ」を手に入れる最低要件といえます。
吹抜けが「寒い」といわれる理由
近年は、上下階をつなぐ吹抜けを取り入れる住まいも増えています。吹抜けは空間を開放的にし、広く感じさせる効果がありますが、ネットで検索すると「吹抜けは寒い」「暖房費がかかる」といった投稿も多数みられます。
断熱性が低いため上下階で温度むらが生じ、リビングの暖房や生活排熱の暖気が吹抜けを通って2階に流れ、それと同じ量の冷気が階段室を通って降下し、1階のリビングに流れ込んでくる冷気の循環が起きています。
これを防ぐには、断熱性能を上げて上下階の温度むらをできるだけなくすことが大切です。また吹抜けには光や明るさを取り入れるために大きな窓が設けられていることも多いですが、特に暖房をつけていないときの窓によるコールドドラフトを避けるためにも窓の性能も上げておくことも重要です。
窓ガラスには、日射取得タイプと日射遮蔽タイプの2種類があります。大きな窓は、影響も大きいため方位や日の当たり具合なども考慮して選ぶことも必要です。

高性能窓ガラス種類
【日射遮蔽型】
日差しを反射し、室内に熱を取込まない。強い日差しが当たる西や東に使う。
【日射取得型】
日差しを部屋に取り込みながら、室内の暖房熱は外へ逃がさない。

開放的な空間で「豊かな暮らし」を手に入れるためには広さよりも温度むらのない計画が大切だと思います(^-^)