空気を循環させて家全体を温める
断熱性能の低い家は、外から寒さが浸入するため、室内を細かく仕切って暖房します。
各部屋にエアコンなどの空調設備を設置し、必要に応じてつけたり消したりする「間欠暖房」が主流です。
複数の部屋を同時に温めようとすると電気代がかかってしまうので、その部屋に滞在する時間に限って暖房することから、家の中で暖房する部屋としない部屋ができてしまいます。
一方、断熱性能の高い家では少しのエネルギーで家全体を温めることができるので、寒さや省エネルギーのために部屋を細かく仕切る必要がなくなります。
廊下も寒くないので、リビングの扉の開け閉めを気にする必要もありません。
必要な空間を寒さ暑さの呪縛なく設計できることが、断熱性能を高めることの大きなメリットとなります。
家の中はできるだけオープンにして、暖かい空気が各部屋に行きわたるようにします。
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する性質をうまく利用して、吹抜けや階段室を介して上下階でも空気を循環させます。
全館連続暖房の検討
全館連続暖房とは、24時間暖房することをいいます。
この方式を採用することで、家全体をある温度に確実に維持することができますが、設備を設置するためのイニシャルコストがかかること、断熱性能が低い家ではエネルギー消費量が増えてしまうため、断熱性能を向上させながら効率的な設備計画を考える必要があります。
HEAT20では、連続暖房した場合に、間欠暖房と比べてどのくらい暖房負荷を削減できるかを判断するための指標を設けています。増加していれば省エネにならないため、見直しを検討しましょう。
一方、削減できていて初期費用にも納得できれば、積極的に取り入れることをおすすめします。
連続暖房したときの暖房負荷削減率
マツシタホーム -murasaki-